結婚を考える方の悩みに、嫁入りか婿入りかというものがあります。
多くの人は結婚後に男性側の姓を名乗り、嫁をもらう、嫁に入ることが世間の常識にようになっています。
しかし、家庭や本人同士の事情で、婿をもらう、婿入りしたいと考える方は近年増えてきています。
この記事では、実際に婿入りした筆者自身の感じたメリット、デメリットについて3つずつ紹介していきます。
なお、今回は金銭面や家同士のしがらみ等の重苦しい話は省いております。
素直な気持ちで、婿入りしてよかったこと、困ったことについて紹介していきますので、婿をもらう、婿入りしたいと考える方の背中を押す記事になれば嬉しいです。
そもそも婿とは
婿とは大きく「婿入り」と「婿養子」の2つに分けられます。
婿入り…妻側の姓を名乗る
婿養子…妻側の両親と養子縁組を組む。
私は、婚姻届けの姓を選ぶ項目で「妻側の姓」を選びました。
つまり形式的には婿入りということになります。
一方、婿養子は婚姻届けの他に養子縁組届を出すことで成立し、代々続く由緒ある家などで跡継ぎがいなかった場合に多いのが特徴です。
私の妻は、実家が本家であるにもかかわらず3姉妹で、将来的に姓が途絶えてしまうという事情を抱えていました。そのため、筆者が結婚の際に妻側の姓をいただいたという形になります。
婿入りのメリット
私個人の感想になりますが、婿入りしたことによるメリットは多数あります。その中でも、特によかったと思えることについて3つ紹介します。
メリット1 妻側の家族に大歓迎される
婚姻後、妻の姓を名乗る夫婦は4%程度です。嫁入りすることが一般的であるにもかかわらず、婿として来てくれるのは、とてもありがたいことなのだそうです。
ちなみに私は、自分から「婿になりたい」と申し出ました。
姓が途絶えてしまう事態を救ったヒーローとして、私は大歓迎されました。
親族や地域の方に会う場面では、妻側の両親や祖父母が「婿をもらった」と口々に嬉しそうに話しており、婿入りを許可してくれた私の両親も大いに感謝されました。
また、第一子が生まれた際には、跡取りができたということで、一族一同が大盛り上がりでした。
正直、結婚して、これほどまでに温かく受け入れられるとは思っていなかったので、「嫁をもらう」のではなく、「婿に入る」選択をして本当によかったと思います。
メリット2 妻の実家で気兼ねなく生活できる
結婚して間もなく、仕事を辞めて妻の実家付近に引っ越しをしました。
それからは実家には頻繁に足を運んでいます(いつも子どもの面倒を見てくれるので楽です)。
私の場合、妻の実家では気兼ねなく、そして遠慮なく生活しています。
なぜなら婿だから。
結婚当初は、お客様のような形で遠慮していましたが、
「婿なんだから遠慮はいらないよ」
と言われて以降、あまり気をつかわずに生活するようにしています。
(結婚して数年…今では我が家のごとく、くつろいでいます)
嫁にもらった場合であれば、妻の実家に行く頻度はそう多くないと思います。
そして、妻の実家にお邪魔した際には、どうしてもお客様としてもてなされることが多いかと思います(私の私見ですが…)。
婿の場合は、妻の実家では大きな顔をしていられるので、とても居心地のいい場所になっています
(もちろん最低限の礼儀や心遣いはしているので誤解のないように)
メリット3 妻側の姓になれる
これは私特有の考え方ですが、姓が変わるということに憧れがありました。
理由は単純で…
男性の姓が変わるのってレアじゃん!
一つ断っておきますが、決してもともとの姓が嫌だったわけではありません。むしろ気に入っていました。
しかし、姓が変わるというのは誰しもが経験できることではなく、特別感があります。
おそらく結婚して夫の姓に変わりたいと思う女性の気持ちと一緒です。
先にも書いた通り、妻側の姓を名乗るのは4%程度しかいません。
夫婦25組に1組の割合ですので、とても珍しがられます。職場や友人の間で、アナの姓が変わった話が話題に上がることが多々ありました。自分が話題にされるっておいしいですよね。
そもそも私は、人と同じことをすることが好きではありません。
世間の常識を鵜呑みにしたり、周りの目を見て行動したりすることは、自分らしくないですし、他人の生き方を押し付けられているような気がして嫌なのです。
自分の考えで、自分の判断で生きていたい。
その考えのもと、妻の家(姓)を途絶えさせたくないということで、自分から進んで婿入りを希望しました。
そして妻の家だけでなく、自分の家も大切にしていこうという決断をしました。
姓が変わったことへの後悔は全くなく、我ながらいい判断だったと思っています。
※ちなみに妻は夫側の姓になりたかったようです。
婿入りのデメリット
婿入りしたことによるメリットはたくさんある一方、やはりデメリットもあります。婿入りするときに特に苦労したことを3つ紹介します。
デメリット1 名義の変更が大変
婚姻後の名義変更は大変だ…ということは、事前に分かっておりました。
実際、とてもとてもとても面倒でした。
名義を変える必要のあったものは以下の通りです。
・運転免許証
・自動車保険
・クレジットカード類
・銀行口座の名義
・証券口座の名義
・電気、水道、ガス
・携帯電話の契約者
・アパートの契約者
・火災保険
・自動車保険
・アマゾンやメルカリなどの名義
住所変更だけであれば、変更手続きだけで済むものが多いのですが、姓の変更は免許証やマイナンバーカードの提出、時には旧姓からの除籍を証明するために、住民票が必要となることがありました。これが本当に手間。
1年くらいは姓の変更による不具合で苦労しました。
結婚した多くの女性が行っていることではありますが、予想以上に手間がかかり大変です。
特に男性の場合、住宅や火災保険、公共料金など夫が契約している場合が多いかと思います。
そういった意味でも、女性に比べて変更すべきものが多かったように思います。
デメリット2 将来的に妻の実家の近くに転居
婿入りする、もしくは婿養子になるというのは、将来的に妻の家を継ぐことになる場合が多いです。
私の場合、妻の実家付近に引っ越すために仕事を辞める決断をしました。
(もともと子どもが生まれたら仕事を辞める予定でした)
私は将来的に仕事を辞めることを念頭に、副業をしたり資格を取ったりしていたので、
仕事を辞めることに対する抵抗感はありませんでした。
しかし、一般的には一家の大黒柱である夫が仕事を辞めることに、不安を感じることが多いと思います。
妻の出身が遠方であれば大きな障壁になるかもしれません。
将来の人生設計は婚姻前にきちんと話し合っておく必要があります。
デメリット3 結婚の際、自分の親の説得が必要
息子がいる場合、結婚の際に嫁をもらうことが一般的である以上、親にとって婿入りには抵抗があります。
そのため、なぜ婿入りするのか説明したり、嫁をもらう選択肢を選ばなかった理由について理解してもらう必要があります。
私の場合は、二男であったため、婿入りをすぐに許可してもらえるかと思っていましたが、実際はそうではありませんでした。本家と相談したり、両親と話し合ったりする必要がありました。決して反対されたわけではありませんでしたが、婿入りは寝耳に水だったようで、私の両親には心配をかけました。
家によっては、大反対されるなんてこともあるかと思います。
場合によっては勘当されることもあるかもしれません。
いずれにしても、自分の両親の理解を得るのは大変です。
両家が納得してから結婚することが大事です。
婚姻後に揉めるのは大変です。
まとめ
メリット、デメリットは多数ありますが、最終的には結婚する本人同士の問題になります。
民法によれば、結婚は「両性の合意のみ」で成立します。つまり、親の許諾は必要ありません。
とはいいつつも、気持ちよく婚姻するためには、やはり親の許諾は必要不可欠です。
私としては、婿入りする前の大変さはありますが、婿入りのメリットは大きいように感じます。
一番大切なのは、結婚前に相手の方ときちんと話し合って決めることです。
そして、後々になって後悔しないように、他人に振り回されず、自分たちにとって最善の選択をすべきです。
今後、婿入り、もしくは婿にもらう方、悩みは人それぞれだとは思いますが、私の同志が増えると嬉しく思います。